未知は怖くない! 「チャレンジ問題」で伝えたいこと
こんにちは。ささやま寺子屋塾の池篤志です。
もうすぐ新学期がスタートしますね! 環境が変わり、勉強内容も難しくなると、不安を覚える方も多いのではないでしょうか。
「知らない問題」「新しい知識」に対して最初から逃げ腰になるか、興味を持って飛び込んでゆけるかで、その後の成長は大きく違いますよね。
寺子屋では、知らないことに興味を持ち、新しいことに挑戦する力を育むため、いくつかの取り組みをしています。
今回はそのひとつ、「チャレンジ問題」についてお話します!
その前に、初めましての方も多い私自身の簡単な自己紹介を。
安心してください、塾長ほど長くありません(笑)
私は池篤志と申します。
元々、寺子屋のアルバイト講師でしたが、今年度より合同会社Rufusに入社し、寺子屋の運営に携わることとなりました。
好きなことは将棋で、20年近く続けています。将棋普及指導員の資格を持っており、週末は実家の近くで将棋教室の先生をしています。
そんな私がささやま寺子屋塾に深くかかわることになった最初のきっかけが、寺子屋の自習プリントであるチャレンジ問題の作成を塾長から任されたことでした。
毎週「チャレ問」を作成するなかで、「あの子はこの問題得意そう」「こんな小問があれば低学年のあの子も楽しめるかな」という風に、生徒の顔を思い浮かべる機会が増え、どんどんやりがいを感じるようになりました。
「チャレンジ問題」とは?
簡単に言うと、やや難しい算数プリントです。
小学校範囲の発展問題から、公務員試験問題や「ビジネス数学検定」など題材は様々。宿題を終わらせてしまった小学生のために
「小学生の知識・計算力で解けるけれど大人も楽しめる問題」
というコンセプトで、毎週作成しています。
私は、問題には2種類あると考えています。
正解がすぐにわかる問題。
正解がすぐにはわからない問題。
「正解がすぐにわかる問題」を反復することで、基礎が身に付き、自信が芽生えます。
「正解がすぐにはわからない問題」に取り組むことで、応用力と粘り強さが育ちます。
現在のチャレンジ問題は、「正解がすぐにわかる問題」が2割、「正解がすぐにはわからない問題」が8割の割合で作っています。
学校などで出される算数プリントとは、おそらく逆でしょう。普通は基礎問題が8割、発展問題が2割の比率だと思います。
なぜチャレンジ問題は「正解がすぐにはわからない問題」が多いのでしょうか?
それは、わからない状態に慣れてもらうためです。
寺子屋では、生徒がチャレンジ問題をすぐに解けなくても、しばらくヒントは出さず様子を見ます。自力でできなくても、ネガティブな声掛けは一切しません。わからないことは、恥ずかしいことではないからです。
そして、ヒントを出して誘導し、解けたときは心から褒めます。なにしろ大人でも簡単には解けない問題です。
「すぐにわからない」ことが当たり前になれば、未知への恐怖はなくなります。新しいことを学んでも、心がくじけなくなります。むしろ、すぐにはわからない正解を見つけ出す快感を知っているので、どんどん難問にチャレンジしていきます。
これは、初めてのプールでは水に顔をつけるのも怖かったのに、息苦しい状態に慣れることで次第に「何秒潜っていられるか勝負」を始めるのと似ているかもしれません。
将棋では、難解な局面で読みに耽ることを「長考に沈む」といいますが、手が見えない状態で考え続けることはそれこそ水に潜るような苦しさがあります。でも、プロ棋士は途中で顔を上げることはありません。いつまででも思考の海に「沈んで」いられます。
すぐに答えがわからない状態。に慣れる。
人生においても、大切な力ではないでしょうか。
先日4月2日(火)の寺子屋では、改元の時事ネタでカレンダーに関するチャレンジ問題を出題しました。最後の一問は難関中学入試問題をもとにした難問です。
苦労してその答えを見つけた生徒に「実は正解は他にもあるねん」と言うと「なぜそれを早く言わなかった」とばかりにすぐまた考え始めました。
もうプリントは全問正解してるのに……再び潜る。こういう成長が見られると、チャレ問作成者としては嬉しく思います。
その問がこちら。
図のカレンダーから5つの日付を選んで、数字の合計が81になるようにせよ。
ただし、同じ週や同じ曜日は2回以上選んではいけない。
皆さんはいくつ見つけられますか?
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