変わる時代と教育の役割

国際化、情報化、AIの台頭などにより現代社会は急速に変容しつつあります。
「学歴を積んで大企業に就職すれば一生安泰」とは言えなくなり、新たな価値を創造する力が求められているのです。
社会の要求に呼応し、教育も変化します。これが教育改革です。
文科省は「学力の3要素」をバランスよく育む教育の必要性を唱えています。

学力の3要素

①知識・技能の確実な習得
②を活かすための思考力、判断力、表現力
③主体性を持って様々な人々と協調して学ぶ態度

これまでは①の「知識・技術の習得」が重視されてきましたが、今は大体のことは「ググれば」わかるし、
大抵の物は3Dプリンタで作れる時代です。AIに負けない人材になるため、②③の能力が今、必要とされています。
自ら主体性を持って学び、考え、伸びてゆく。そんな子供たちを育てることが私たち教育者の使命です。

学ぶ意欲を育む環境

「学ぶ意欲や主体性が大切だ」とよく言われますが、それはなぜでしょうか?
我々は、学ぶ意欲や主体性は、植物でいえば根っこにあたる部分だと考えています。
意欲がある子は、根をしっかり張った植物がグングン伸びていくように、知識や考える力も自然と身に着き、自分で勝手に伸びていきます。
では、子どもたちが意欲的であり続けるためには何が必要なのでしょうか?
寺子屋では、それは“自己肯定感”だと考えます。
植物が根を伸ばすため「よい土壌」が必要なように、自己肯定感があって初めて学ぶ意欲は根を張ります。
「どうあっても私は愛されている」「ありのままでいいんだ」「失敗してもまた挑戦できるんだ」と自分を肯定できる人間関係や居場所があって初めて、子どもたちは意欲的になれるのです。

「ささやま寺子屋塾」の役割

篠山を含め日本全国の中山間地域では、古くから地域全体で子どもたちを見守る信頼関係がありました。しかし今、少子高齢化や人口減少によって“学校の統廃合”が進み、校区が広がることで、以前のような安心感は薄れてしまいました。その結果、地域の中に「安心して学べる子どもたちの居場所」が少なくなってきているようです。
今、地域の中に「安心して学べる子どもたちの居場所」が必要です。

寺子屋では生徒と講師との信頼関係を何よりも大切にしています。
そのために講師は、時に悩み相談に乗り、時に自己開示をしながら、生徒の心を開き、信頼関係を深めていきます。
ささやま寺子屋塾が、地域の子どもたちにとっての「安心できる居場所=よい土壌」となれるように。
そして、子どもたちが意欲という根を張り、いきいきと学ぶ地域環境を整えることを目指しています。

目指す生徒像

計画と反省を自立してできる

先の見えない現代。自分で課題を設定し、クリアしてゆく能力はますます大切になってきます。
寺子屋では、各々が持ち寄った宿題などを自主的に勉強します。その際、最初にシートを書いてもらいます。

生徒たちは自分が今やるべき課題の中から、この時間内に「何を」「どこまで」終わらせるか計画し、講師と共有します。
終わった後は達成度を振り返り、次に繋げます。毎週の計画と反省を繰り返すことで自立した学習習慣が身につきます。

自主的に課題を見つける

寺子屋では、各自の自習サポートの他、自由参加型の発展学習プロジェクトが随時スタートします。

論理的思考力を試す算数の難問「チャレンジ問題」
英語を文型で体系的にとらえる「マスター英語プロジェクト(MEP)」
物語のような作文を書く「ストーリー作文プロジェクト」

などなど。
生徒たちは興味のあるプロジェクトに自由に参加し、互いに知恵を出し合い、
時に議論しながら難問に挑んでいます。