引き算の教育法(1/2)
先日の、親御さんとの面談中の一幕です。 内容が濃く、長くなってしまったので、全2話でお届けしようと思います! 娘の進路について相談があるということで、こんな悩みを伺いました… 親御さん「娘も、もう高校2年生。そろそろ進路を明確にしないといけません。」 塾長「そうですね。でも、まだもう少し悩む時間はあるんじゃないですか?」 親「私もそう思っていたのですが、周りの親御さんや学校の先生から色々と言われて、正直焦っているんです。」 塾「例えばどんなことを言われたんですか?」 親「『大学受験は高校受験の比じゃなく難しい』とか、『親がもっとしっかりしないといけない』とか…」 塾「確かに、大学受験は高校受験と比べると、『受験で全て落ちる』という可能性がリアルにありますから、その意味では合っているようにも思いますが。」 親「でも、私の時、こんなに大変だったかなと思って。今は親である私自身は、自分の親から特に受験のことなど言われたことがなかったし、その関わり方には感謝してるから… 私も子どもには同じように、放置するわけでなく『信じて任せる』というつもりでいたのですが、どうも周りの様子を見ていると焦る気持ちもあって…」 と、こんなご相談でした。 僕が子どもたちに関わる時は、「信じて任せる」というスタンスを取ることが多いですから ぜひこの親御さんのスタンスを応援したかった。 だから僕はこんな話をしました。 僕が同じく高校2年生の時、人生のターニングポイントとも言っていい出来事がありました。 それは、大学と言えば「兄ちゃんが行ってる大学」くらいしか知らなかった僕が 担任の先生に「このままじゃあかんで。他の同級生は京都大学とか東京大学とかみんな高い目標掲げてるのに」とどやされ、僕は素直になれませんでした。 それは、「みんな一緒で気持ち悪かった」からです。 ただただ高い偏差値の大学を目指すことを否定したい気持ちもある。 でも、僕はみんなの目標に代わるような立派な志は持っていなかった。 それから進路を本気で考えるようになりました。 幼少期からの記憶を色々引っ張り出してくる中、僕は「肩もみが好きだから、癒しに関わる人になれたら幸せだな。」と本気で思うようになりました。 そこで、一番身近に癒しに関わっている大人として、当時お世話になっていた接骨院の先生のところへ話を聞きに行くことに。 「今時こんな高校生はめずらしい!」と歓迎され、自分の腕さえあれば仕事ができるというカッコよさや、やりがいなどを聞く内に「やっぱり僕はこっちの道に進む!」と心が決まりかけた時、その先生に 「大学なんて、行く意味ないよ。」 「4年間遊んで暮らすぐらいなら、専門学校行きながら働いた4年間の方がよっぽど価値がある。」 と言われ、僕の心は大きく揺さぶられました。 「え!?大学って行かんでもいいんや。」(それまでは大学に行くことが当たり前だと思っていた) 「そのまま専門学校行ってもいいな。でも、なんとなく大学には行った方がいい気がする。」 「じゃあ、なんで自分は社会に出て自分でお金を稼げたはずの4年間を捨ててまで、大学に行こうとしているんだ?」 「もし大学に行くなら、社会に出た場合の4年間の価値に勝る時間にしなければいけない。」 次回へ続く…...