「書くこと」の本当の力を引き出そう!

「書くこと」の本当の力を引き出そう!

 

人は読むことで豊かになり、話すことで準備ができ、書くことで厳正になる。

 

イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉です。

以前、「話せばわかる」という題で、人に説明するという勉強法をお話ししました。今回は「書く」という勉強方法についてお話ししようと思います。

 

私は、「書く」ことは「読む」「話す」の良いところを合わせた最高の勉強法だと思っています。

 

高校時代、私のクラスに「ティキ」というあだ名の子がいました。ティキは笑いのセンスが抜群で、クラスの人気者でした。成績もよく、特に世界史や日本史ではトップを争っていました。

ティキには変わった習慣がありました。彼はテスト前になると、世界史のテスト範囲について、出来事の流れや重要語句をルーズリーフ数枚にまとめ、クラスの掲示板に貼り出すのです。

それは本当に分かりやすく、かつ随所に彼らしいユーモアも散りばめられていて、皆から「ティキペデイア」と呼ばれていました。ティキペディアのおかげで私たちのクラスは世界史の平均点が他のクラスより高く、大助かりでした。

でも、最もティキペディアの恩恵を受けているのは、もうお分かりだと思いますが他ならぬティキ自身です。

彼はクラス全員に読ませるクオリティのものを作るため、誰よりもその内容を理解する必要がありました。口頭で教えるのと違い、書いたものは証拠が残ります。嘘は書けません。彼はティキペディア執筆の際、間違いのないよう「厳正に」内容を吟味したのだろうと思います。その過程で知識は自然と整理され、彼の血肉になっていったのです。

もう一つ、理由があります。このティキペディアはティキ自身も読み返します。そして、ティキペディアはティキが「自分自身が最も理解できる方法」でまとめたものなのです。つまりティキペディアを読んだとき、最も理解が深まるのもまたティキ自身です。

作るとき勉強になる。読み返して勉強になる。これは「読む」=インプットと「話す」=アウトプットのそれぞれの長所を極めた最高の勉強方法といえるのです。

 

彼の勉強方法は、誰もが真似できることではないでしょう。部活や習い事で忙しいなか、皆に読ませるレベルのものを作るのは大変な作業です(ちなみにティキは帰宅部でした)。ですが、参考にすることはできます。

めちゃくちゃ効果的な方法です。

 

テスト前に自分だけのノートをつくる。

 

自分だけに分かる「マイペディア」を作るつもりで書きましょう。他の人にとっては意味不明で構いません。字も自分で読める程度の走り書きで大丈夫です。

ここで大事なのは、授業中の先生の板書を写すノートとは別で、ゼロから自分でノートを作ることです。

先生の板書は最初からある程度まとまっていますが、「書き写す」という機械的な作業になってしまいがちです。はっきり言って、機械的に書き写すことでは記憶は定着しませんし、理解も深まりません。そもそも、写さなくても後で教科書を読めば大半は同じことが書いてあります。

 

大事なのは、そもそも授業を聞くこと。

そして、理解したことを自分の言葉で書き出すことです。

 

自分の言葉で書き出すことで、そうして書かれた自分の文字を読むことで、ただ読んだり話したりする何倍も記憶が定着します。正解はありません。世界に一つだけの自分のノートを作ってください。

 

ノートを書く際の具体的なテクニックについては、最近それに関連する本を買ったので、またどこかでお話しできたらと思います。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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