話せば、わかる。
こんにちは。ささやま寺子屋塾の池です。
今まで勉強していて、こんなことはありませんでしたか?
教科書をしっかり読んで、内容は理解できた。問題集もやった。なのに、テストの成績がいまひとつ伸びない。特に、記述問題がわからない……。
それはもしかしたら、「表現する」という勉強方法が足りないからかもしれません。
勉強の目標を「問題が解ける」ではなく、「人に教えることができる」というところに設定してみましょう!
得意科目でなくても構いません。今すぐ、仲の良い友達か誰かに「次のテストでこの教科を教えてあげる」と約束しましょう(お礼にジュースでも奢ってもらいましょう)。
そして、しっかり準備して、相手が理解できるように教えて下さい。
実はそれが、成績アップの近道なのです。
私は小学生の頃、将棋を習っていました。その将棋教室の先生は、教室の最後にいつもこう言っていました。
「ええか、今日覚えたこと、家でお母さんに喋るんやで!」
私は先生に言われた通り、家に帰って母に喋りました。
「お母さん、あんな、桂馬は駒をジャンプできるねん」
「最初は飛車の前の歩を動かすねん」
母は、そうかそうかと聞いてくれました。
やがて私は強くなり、教室で習う内容は高度になっていきました。
「お母さん、あんな、対四間飛車の4五歩急戦定跡で2四歩の突き捨てに同角と取られたときは、9五歩を一本利かすことで後手の美濃囲いに端攻めの味をつけると同時に、飛車切りの変化で香車を走って4三に打つ一歩を確保するのが……」
母は、そうかそうかと聞いてくれました。
もちろん、母は私の話す内容を1ミリも理解していません(本当に聞いていたのかどうかも怪しいところです)。
でも、得た知識を吐き出すことで頭の中が整理され、私の将棋はどんどん上達していきました。全国大会で準優勝したのもこの頃です。
寺子屋で中学生以上の生徒のお父さん、お母さんによく言われる言葉があります。
「子どもに質問されても、私じゃ教えられへんから……」
大丈夫、まだ出来ることはあります!
逆に本人がわかっていそうなところを質問して、説明させてみて下さい。
人に教えるためには、自分自身がその内容についてしっかり理解していないといけません。そして、理解できているかどうかは人に話してみないと案外わからないものです。
私たちが知識を自分のものにするためには、「聞く」「読む」というインプットだけでなく、「話す」あるいは「書く」というアウトプットが必要不可欠です。基本的に、学校の授業はインプットが主なので、家庭学習では学んだことをアウトプットできる環境を作りましょう。
人は読むことで豊かになり、話すことで準備ができ、書くことで厳正になる。
イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉です。
皆さんは準備、できていますか?
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